ポータブル電源による電気代節約の仕組みと上手に使うためのコツ

2025年4月13日2025年4月20日

ポータブル電源は、防災やアウトドアだけでなく、普段使いでも注目される便利なアイテムです。最近では「ポータブル電源による電気代節約」を目的に、自宅で活用する方も増えています。

しかし、実際にポータブル電源を使うことでどの程度電気代が節約できるのか、またフル充電するのにかかる電気代はどのくらいなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

さらに、購入費用に対して元を取ることができるのかという点も、購入前にしっかり確認したい重要なポイントです。特に、ソーラーパネルと組み合わせることで元は取れるのか、夜間充電を活用することで電気代がどの程度安くなるのかといった疑問は多くの方が抱えています。

また、ポータブル電源で家の電気をつける方法や、ポータブル電源だけで生活することは現実的なのか、普段使いした場合の電気代はどのくらいなのかといった具体的な使い方についても、正しく理解しておくことが大切です。

一方で、ポータブル電源の選び方には注意点もあります。買ってはいけない製品や、用途に合わないものを選んでしまうと、かえって損をしてしまうケースもあるため、しっかりと情報収集を行うことが重要です。そこで本記事では、電気代節約に役立つ実例やブログの紹介を交えながら、ポータブル電源の基本的な知識から具体的な活用方法までわかりやすく解説します。

この記事のポイント

ポータブル電源の電気代と節約の基本的な仕組みがわかる
フル充電にかかる電気代と節約効果が具体的にわかる
元を取るための活用法やソーラーパネル併用のコツがわかる
購入時の注意点や実際の節約成功事例がわかる

ポータブル電源による電気代節約の基本と活用法

フル充電するのにかかる電気代は？
ポータブル電源で家の電気をつける方法
夜間充電で電気代は安くなる？
ポータブル電源だけで生活するのは現実的？
普段使いした場合の電気代は？

フル充電するのにかかる電気代は？

ポータブル電源のフル充電にかかる電気代は、使っている機種や容量によって異なります。しかし、一般的にはそこまで高額になることは少ないと言えるでしょう。

まず、電気代は「使った電力量（kWh）」×「電気料金単価」で計算できます。ポータブル電源の容量は「Wh（ワットアワー）」で表されており、1,000Whのポータブル電源であれば、1kWh（キロワットアワー）を充電するということになります。

例えば、電気料金の単価が1kWhあたり約30円だった場合、容量が1,000Wh（=1kWh）のポータブル電源を満充電するための電気代はおおよそ30円です。容量が2,000Whなら約60円、500Whなら約15円程度と考えて良いでしょう。

ただし、実際には充電時にロス（効率の悪さ）も発生します。充電効率が90%程度の製品も多いため、少し余裕を持って電気代を考えると安心です。例えば1,000Whのポータブル電源の場合、実際には35円〜40円程度の電気代がかかるケースもあります。

また、電気代は地域や契約プランによって大きく異なることがあります。夜間の電気代が安いプランに加入していれば、さらに充電コストを抑えることが可能です。

このように、ポータブル電源の電気代は容量と電気料金単価で大きく変わるものの、1回のフル充電で100円を超えるようなケースはほとんどありません。普段使いする場合でも、スマホやノートPCの充電程度であれば、非常に低コストで利用できるのが魅力と言えるでしょう。

ポータブル電源で家の電気をつける方法

ポータブル電源で家の電気をつける方法は、いくつかのステップを踏めば比較的簡単に実現できます。ただし、条件や注意点もあるため、事前に確認が必要です。

まず、一般的な家庭の照明や家電をポータブル電源で動かすには「対応する出力端子」があるかが重要です。多くのポータブル電源には、ACコンセント（家庭用の電源と同じ形状）やUSB端子が備わっています。ACコンセントがある場合、家庭用の電気製品をそのまま接続して使うことが可能です。

例えば、家の照明がコンセント式であれば、そのままポータブル電源に接続すれば点灯できます。天井のシーリングライトのような直接電線につながっている照明を動かしたい場合は、少し工夫が必要です。このような場合は「ポータブルLEDランプ」や「USB対応ライト」を用意して、ポータブル電源から電気を供給する方法が現実的です。

さらに、本格的に家全体の電気をポータブル電源でまかないたい場合は「切替スイッチ」や「インバーター設備」を設置する工事が必要になることもあります。ただし、これは専門業者に依頼する必要があり、費用も高額になるため、一般家庭ではあまり現実的ではありません。

実際のところ、ポータブル電源を使って家の電気をつける方法としては、・スタンドライトやデスクライトを直接接続する・USBライトを使う・バッテリー式のLED照明を充電して使うといった方法が主流です。

そしてもう一つ大事なポイントがあります。それは「ポータブル電源の容量と出力を超えないこと」です。消費電力が大きすぎる照明や複数の家電を同時に使用すると、ポータブル電源の出力オーバーで使えない可能性があるので、必ず消費電力を確認しましょう。

このように、ポータブル電源で家の電気をつける方法はシンプルですが、電力の使用量やポータブル電源の性能をしっかり把握することが、安全で効率的に利用するコツです。

夜間充電で電気代は安くなる？

ポータブル電源を夜間に充電することで、電気代が安くなるケースは多いです。これは、電気料金の仕組みに関係しています。

そもそも多くの電力会社では、契約プランによって時間帯別に電気料金が設定されています。特に「夜間料金割引プラン」や「時間帯別料金プラン」を契約している場合、夜間の電気代が昼間に比べて半額近くまで下がることも珍しくありません。

例えば、東京電力の「スマートライフプラン」では、昼間（7時〜23時）が約31円/kWhに対し、夜間（23時〜翌7時）は約12円/kWhと大きな差があります。この料金差を利用すれば、ポータブル電源の充電タイミングを夜間に集中させることで、充電コストを大幅に抑えることができます。

また、ポータブル電源は一度満充電にしてしまえば、スマホやノートPCなどの低消費電力の機器であれば長時間使用が可能です。つまり、夜間の安い電力を使って充電し、日中の高い電気代がかかる時間帯にその電力を使うことで、電気代の節約効果が期待できます。

ただし、注意点もあります。夜間電力プランに加入していない場合は、昼間と夜間の電気料金の差は少ないため、効果は限定的です。また、ポータブル電源の容量や充電回数によっては、節約効果があまり実感できないこともあります。

いずれにしても、夜間料金が適用される契約であれば、ポータブル電源の夜間充電は効果的な節電方法と言えるでしょう。契約中の電力プランを確認し、夜間料金の安い時間帯を活用することがポイントです。

ポータブル電源だけで生活するのは現実的？

ポータブル電源だけで生活することは、現実的にはかなり難しいと言わざるを得ません。なぜなら、一般家庭の電力消費量に対して、ポータブル電源の容量や出力には限界があるためです。

多くの家庭で1日に使う電気量は、季節や家族構成にもよりますが、おおよそ10kWh〜15kWh程度とされています。対して、一般的なポータブル電源の容量は500Wh〜2000Wh（0.5kWh〜2kWh）程度が主流です。つまり、1日中エアコン・冷蔵庫・テレビ・電子レンジなどを使いながら生活するには、単純計算でかなりの数のポータブル電源が必要になります。

さらに、ポータブル電源は一度使い切ると再充電が必要です。再充電にも数時間〜十数時間かかることがあり、生活に必要なすべての電力をポータブル電源だけでまかなうのは現実的ではありません。

これを解決する方法としては、ソーラーパネルとの併用があります。晴れた日に太陽光でポータブル電源に充電し、その電力を活用することで、多少は自給自足のような生活が可能になります。しかし、これにも天候や設置スペースなどの課題があるため、完全に電気を自給するのは簡単ではありません。

また、使用する電化製品も大きなポイントです。スマホ、LEDライト、ノートPCのような低消費電力の機器だけで生活を組み立てるなら、ポータブル電源だけの生活も短期間であれば成立することがあります。実際にキャンプや車中泊ではそのように使われています。

このように考えると、ポータブル電源だけでの生活は短期的・限定的な状況（キャンプ、防災、アウトドア）では可能ですが、日常の長期間の生活となると非現実的と言わざるを得ないでしょう。現実的には、家庭用電源と併用しながら、非常用や節電アイテムとして活用するのがベストな使い方です。

普段使いした場合の電気代は？

ポータブル電源を普段使いした場合の電気代は、使用する頻度や容量によって大きく異なります。ですが、一般的な使い方であれば、そこまで高額になることは少ないと言えるでしょう。

ここで注目したいのは、ポータブル電源を充電する時の電気代と、そこから家電製品に給電する時の効率です。例えば、1,000Wh（1kWh）のポータブル電源を毎日フル充電した場合、電気料金単価が30円/kWhなら単純に1日30円、1ヶ月で約900円かかる計算になります。

ただし、実際は充電時にエネルギーロスが発生します。多くのポータブル電源では充電効率が80〜90%程度なので、もう少し電気代がかかると考えるのが自然です。おおよそ1kWhあたり35円〜40円と見積もると現実的でしょう。

また、普段使いする家電がスマホやノートPC、LEDライトのような低消費電力のものであれば、フル充電1回で数日間使えることもあります。逆に、ドライヤーや電子レンジなどの高出力家電を頻繁に使うと、すぐに充電が減るため充電回数が増えて電気代も高くなります。

一方で、夜間の安い電気料金プランを活用して充電した場合、昼間に直接コンセントから使うよりも電気代が安く抑えられることもあります。特に夜間が10円/kWh前後であれば、充電コストは1kWhあたり10〜15円程度に抑えられる可能性があります。

このように、ポータブル電源の普段使いでかかる電気代は、充電する時間帯や使用する家電によって大きく変わります。日常的にうまく運用すれば、そこまで大きな負担にはならないと考えてよいでしょう。

ポータブル電源の電気代節約で失敗しないコツ

電気代節約で元を取る方法
ソーラーパネルで元を取る
買ってはいけない！注意点とは？
電気代節約の成功事例
電気代節約まとめと注意点

電気代節約で元を取る方法

ポータブル電源の電気代節約で元を取る方法は、大きく分けて2つあります。夜間の安い電力で充電する方法と、ソーラーパネルを併用して無料の太陽光エネルギーを活用する方法です。

まず、夜間料金プランの活用は非常に効果的です。多くの電力会社では夜間の電気代が昼間の半額以下になるプランを用意しています。例えば、昼間の電気代が30円/kWhでも、夜間は10円/kWhほどに下がることがあります。この安い夜間にポータブル電源を充電し、昼間はその電力を使えば、電気代の削減効果が高まります。

もう一つの方法がソーラーパネルによる自家発電です。太陽光を使ってポータブル電源に充電すれば、電気代はかかりません。もちろん、ソーラーパネルの導入費用はかかりますが、長期的に見れば電気代ゼロの効果は大きな魅力です。特に天気の良い地域や、日当たりの良いベランダがある家庭にはおすすめです。

ただし、ポータブル電源で元を取るには注意点もあります。最大のポイントは「使用頻度」です。あまり使わなければ、充電回数が少なく、節約効果も小さくなります。逆に毎日のように充電と使用を繰り返せば、長期的には購入費用の回収が見込めます。

また、高価な大容量モデルを買ったのにスマホしか充電しない、という使い方では元を取るのは難しいです。ある程度の電力量を消費する家電（ノートPC、ドライヤー、ケトルなど）に使用する方が効果は大きくなります。

このように考えると、ポータブル電源で元を取るには「夜間料金プランの活用」「ソーラーパネルの併用」「普段からの積極的な活用」の3つが大切になります。無理なく日常生活に取り入れることが、元を取るための最大の近道と言えるでしょう。

ソーラーパネルで元を取る

ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせると、上手に活用すれば購入費用の元を取ることも可能です。特に電気代の高騰が続く今の時代では、工夫次第で大きな節約効果が期待できます。

まず、基本的な考え方としては「ソーラーパネルで無料の電力を生み出すこと」がポイントです。昼間の太陽光でポータブル電源を充電すれば、電力会社から電気を買わずに済む時間が増えます。その分、長期的に見れば節約効果が積み重なり、元を取ることにつながります。

具体的な活用例としては、日中の晴れた時間にソーラーパネルを使ってポータブル電源をフル充電し、その電力で以下のような家電を使う方法があります。

・スマホやノートPCの充電・Wi-Fiルーターの電源・LEDライトの点灯・ドライヤーや電気ケトル（短時間使用）

特に消費電力が少ない製品を優先して使うと、1回の充電で長時間使えるので効率的です。さらに、ポータブル電源の容量が大きい場合は、ドライヤーやIH調理器など高出力家電の短時間使用も可能です。

また、アウトドアやキャンプ、自宅の庭作業、災害時の備えとしても使えるので、節約と防災の両方に役立つメリットがあります。普段使いと非常時の両方で活用できる点は、ポータブル電源とソーラーパネルの強みと言えるでしょう。

ただし、元を取るまでにはある程度の時間がかかることも事実です。ソーラーパネル自体の価格やポータブル電源の性能にもよりますが、数年単位での運用を前提に考えると現実的です。特に電気代の高い地域や、晴天の日が多い地域では、より早く元を取れる可能性が高まります。

このように、日常生活の一部に自然エネルギーを取り入れながら電気代の負担を減らすことが、ポータブル電源とソーラーパネルを元を取るための賢い活用術といえるでしょう。

買ってはいけない！注意点とは？

ポータブル電源を購入する際には、いくつかの注意点をしっかり理解しておくことが大切です。間違った選び方をしてしまうと、せっかくのポータブル電源が思ったように使えなかったり、無駄な出費につながったりすることがあります。

まず、一番気をつけたいのが「用途に合わないモデルを選んでしまうこと」です。例えば、スマホの充電やLEDライト程度しか使わないのに、大容量で高価格のポータブル電源を購入してしまうのは典型的な失敗例です。逆に、ドライヤーや電子レンジなどの高出力家電を使いたいのに、出力が小さいモデルを選んでしまうと、そもそも使うことができません。

次に注意したいのが「安すぎるポータブル電源」です。価格が極端に安い製品の中には、バッテリーの品質が低かったり、安全性能が不十分だったりするものもあります。特に海外製の無名メーカー品は、長時間の使用や充放電の繰り返しで故障しやすいケースもあるため、レビューやメーカーの信頼性を確認することが重要です。

また、見落としがちなのが「充電時間の長さ」です。いくら大容量でパワフルでも、満充電に10時間以上かかるモデルでは、日常的に使いにくく感じるかもしれません。急速充電に対応しているかどうかは、普段使いする上で大きな差が出るポイントです。

さらに「サイズや重さ」も忘れてはいけません。防災やアウトドア用として持ち運びを考えている場合、あまりに重たいと移動が大変になります。家庭内だけで使うのか、外でも使うのかによって、適した大きさや重さは異なります。

このように、ポータブル電源を購入する際は、使用目的・出力・容量・充電時間・重さ・メーカーの信頼性をしっかりチェックすることが失敗しないポイントです。安易に価格だけで決めるのではなく、自分の使い方に本当に合ったモデルを選ぶようにしましょう。

電気代節約の成功事例

ポータブル電源を活用して電気代の節約に成功している事例は、少しずつ増えてきています。特に夜間料金やソーラーパネルを上手に活用したケースが目立ちます。

ある家庭では、夜間電力の安い時間帯にポータブル電源を充電し、その電力で日中に使う家電を稼働させる方法を取り入れました。この家では、スマホやノートパソコン、Wi-Fiルーター、照明など、比較的消費電力の少ない家電をポータブル電源に繋ぐことで、1ヶ月あたり1,000円〜2,000円の電気代削減に成功しています。特別な工事をせずに手軽にできる方法として、非常に効果的な節電術です。

また、別の家庭では、ソーラーパネルを導入し、天気の良い日は自家発電でポータブル電源を充電しています。これにより、日中の電力をほとんど購入せずに生活できる時間が増え、長期的にはソーラーパネルの購入費用を回収しつつある段階に入っています。この家庭では、夏場など日照時間が長い時期には、電気代の大幅な削減に繋がっているとのことです。

他にも、アウトドアや防災対策用に購入したポータブル電源を普段から積極的に活用している方も多くいます。例えば、屋外作業時にコンセントがない場所で電動工具を使用したり、庭やベランダでライトアップを行う時に活用することで、日々の電気代節約に繋がっています。

このように、ポータブル電源による電気代節約は、工夫と継続によって実現できる現実的な方法と言えます。特に日常的に充電と使用のサイクルを作り、なるべく高い時間帯の電気を使わない工夫をすることが、成功のポイントとなっています。